GR DIGITAL IIIのリリースに対してよく言われる件
GR DIGITAL III のリリースを見たり、実際に手に取ったりしたかたの評価に対して、下記に個人的な見解を書いてみました。参考にするかどうかはご自由に。
撮像素子が小さい
撮像素子のサイズが大きい方が高画質、という神話が大事であれば、GR DIGITAL でなくてよいのです。コンパクトデジカメのサイズに納まっているからこそのGR DIGITALなのです。
幸い、コンパクトデジカメのクラスに一眼レフ級のセンサーを搭載している、シグマ DP-2 があるので、そちらを試してみて、それでよいか判断すればよいでしょう。GR3になってレンズ部の出っ張りが…とか言っている私にはどだい無理な話ですが。
撮像素子の画素数が少ない
現在のレベルの画素数になってくると、撮像素子の画素数が上がることが高画質化に貢献するわけではないです。
3メガピクセルくらいで、A4の出力には十分に耐えるし、パソコンの画面はフルHDでも1920x1080でしかないので、画面で全体を表示するだけで、すでに圧縮されているので、カメラの実力ではなくなってしまう。レンズから入力された限られた光をたくさんの素子で分け合って、少ない光量になって、それで高画質になるわけではないのです。一つ一つの素子により多くの光を当てることが高画質化ですので、カタログスペック上のインパクトのために、素子数を増やす必要は無いのです。このあたりの割り切りを見せてくれているのが、GR DIGITALなのです。
画素数が多い機種が欲しいのなら、カタログスペックで勝負している一般的なデジカメでいいでしょう。
ズームがない
カメラの基本、フレーミングは、自分の足で。ズームは本来その上で構図を取るための(画角を変える)機能でしょう。
もちろん、遠くからキャンギャルを取りたいときは、望遠レンズ搭載の一眼レフを用意して下さい。用途が違います。
画質ならデジイチの方がいい
確かにそれなりのデジイチなら、光学系の空間にも余裕がありますので、画質はいいです。ですが、大きさならコンデジが小さい、軽い。視点が違います。画質のためにデジイチを常時持ち歩ける人はそれでもいいでしょう。GRはデジイチは持ち歩けないという前提に立った場合に価値があるのです。
また、デジイチを構えるタイムラグもあるでしょう。取り出してスパッと撮るととらえられるチャンスもあるでしょう。
画質はほかのコンデジと大して変わらない
他のコンデジと変わらない、と思っている人ならそれでもいいのではないでしょうか?
たとえば、音楽をやっている人は、CDでカットされている音域があるのが気持ち悪いと聞いたことがあります。
ぱっと見わからなくても、
GR DIGITAL の撮る画像になれちゃうと、安い一般のコンデジの画質では満足できなくなってしまうのはやや悩ましいです。
手ブレ補正
手ブレはさせないのが基本です。撮れればいい人は手ブレ補正とか美肌モードとかで、カメラが勝手にやるのに任せればいいのですが、GR DIGITAL は自分のやりたいことを指定できるのがいいのです。
手ブレは、手をブラさせるのかキチッと固定するのかで自分で選べるので、それを補正する機能を装備することで画質を下げるようなことがあってももったいないです。
銀塩の方が画質はよかった
デジタル全盛のこの時代にいまさら銀塩と比べられても…。
デジタルの良さを認めている人、銀塩とトレードオフしてもいいと判断した人が使えばいいのではないでしょうか。
まだ銀塩に価値を見いだせる人は頑張って銀塩を使えばいいでしょう。
私は経済的な理由でデジカメを諸手を挙げて評価します。
GR3 と GR2 、いまならどっちを買った方がいいでしょうか?
それぞれの現在の価格帯があるので、価格に納得がいけば、どちらでもいいでしょう。
GR2 から GR3 に買い換える価値はあるのでしょうか?
GR2を使っていて、気になっていた点がある人は、GR3に飛びついているはずです。
GR2で気になる点がない、というか十分満足している人は、そのままでいいと思います。
見比べないほうがある意味幸せかもしれません。
仕上がりの写真は、ウデにもよるでしょうしね。
GR2買ったばかりの人は急いで買い換える必要は無いと思います。いい意味で、GR3は、GR2を捨てさせるモデルではありません。
レンズ周りが出っ張ってしまったという点が許せない人は買い換えなくていいでしょう。
初めてなんですがGRDなんて買ったらおこがましいでしょうか?
スタイルからGRDに手を出すのもいいでしょうし、なんかいい写真が撮れるっぽいっていう曖昧な期待感でもいいと思います。
それだけじゃ、というのであれば、たとえばGRDを宝の持ち腐れにしないために、GRDの持つたくさんのマニュアル設定の何か一つを使うだけで、フツーのデジカメにはできないことになりますし。
一眼レフのユーザーが「面倒で持ってこなかった」と言うときに持っていれば、それだけでもGRDならではですし。
また、ただ写真を撮っただけで、他のコンデジと一線を画す写真を撮る、という手もあります。ホントは技術とかコミなんで、単純な話ではないですが。
GRDを手にしたのをきっかけに、少し写真の撮り方を勉強するといいと思います。何も考えずに撮っている人よりは明らかによい写真が撮れるようになりますし、そういった本で紹介されているテクニックを使うために必要な機能は備えているのではないでしょうか。